どうも、もっちゃんです。
今回は読書!
ということで、安東みきえさんの「頭のうちどころが悪かった熊の話」を読んでみたので、書評を書きたいと思います。
目次
本の内容
全部で7つの物語に分けられています。
それぞれの物語で多様な動物が登場し、シュールな世界観で話が進みます。
おおまかにとらえると、「人生について考える本」です。
生き方や人生観、そういったものを考えさせられます。
7つの物語のおおまかな内容を説明します
1.頭のうちどころが悪かった熊の話
頭のうちどころが悪く、レディベア(恋人)の姿を忘れてしまった熊。
しかし、レディベアが大切な人であることだけは覚えていました。
ぼんやりと記憶に残る世界で、様々な生き物に出会い、とまどう中レディベアを見つけることはできるのか・・・。
この物語では、恋人が自分を想う気持ちなどを考えさせられます。
やはり、もし大切な人が完全に記憶をなくしたら、悲しむでしょう。
2.いただきます
旅人が一匹のトラと出会う。
そのトラのお腹の中にはキツネがいてトラはキツネの命を奪ったことを後悔していた。
しかし、キツネはトラに食べられたことではなく、自分がニワトリを食べたことを後悔していると言い出します。
このように、多くの動物の食物連鎖での嘆きがトラのお腹で繰り返されます・・・。
この物語では、食べ物に感謝することが学べます。
いつも、動物を食べている私たちですが、その動物ができるまでに肥やしとなったもの(動物、農家の方の努力)などに感謝することを考えさせられます。
3.ヘビの恩返し
父さんヘビが子ヘビにカコの実を食べてはいけないと教えています。
しかし、父さんヘビはそれを食べてしまいます。
カコの実を食べると過去のことしか考えられなくなるので、子ヘビが過去に脱皮した皮に夢中になってしまいます。
しばらくすると母さんヘビもやってきます。しかし母さんヘビは、ミライの芽を食べていて、未来のことしか考えられなくなっていました。
両親が過去と未来にとらわれてしまった今、現実を見るように戻すことはできるのか・・・。
この物語では、過去と未来が大事なのではなく今を大切に生きることを考えさせられます。本当に大事なのは今なのですね。
4.ないものねだりのカラス
カラスは、「向こうの木にシラサギがとまっている」と言います。
しかし、シラサギだと思うものは実は木と木のすきまで、カラスだけそれに気づいていません。ずっと友達になろうと待っているのです。
ずっと待ち続けるのですが、結局カラスは・・・。
この物語では、ないものねだりをせず現実に今あるものに感謝して生きることを考えさせられます。理想だけで生きるとは悲しいことなのかも。
5.池の中の王子様
おたまじゃくしがたくさん産まれました。そのなかの一匹にクエスチョンマークのおたまじゃくしがました。
彼は「ハテ」と名付けられます。ハテは「どうしてまた寝ることになるのに起きないといけないの」などと少しほかのおたまじゃくしと違う考えを持っています。
やがて彼は池の中に旅に出て、ヤゴと出会います。
ヤゴとは一生の友達になり、やがて大人になっていく・・・。
この物語では、大人になっても友情を大切にすることや人と違っても、自分のやり方で生きていくことの大切さが伝わります。
6.りっぱな牡鹿
牡鹿のホーイチはみんなの相談係で、森の動物の様々な悩みを聞きます。
みんなの悩みを聞き続け、物事の意味がわからなくなってしまったホーイチは、意味がないことはしないと決めます。
しかし、いくら意味がないことをしても意味が出る。
そこでホーイチはある言葉を口にした・・・。
この物語では、人生の生きる意味について考えさせられます。
生きる意味はないけれど、人との関わりなど様々な環境が意味を生み出すと感じます。
7.お客さまはお月様
親友の頭のうちどころが悪かった熊も冬眠し、不眠症の熊はひとりぼっちで冬を過ごします。
そんなとき、三日月だけは熊の後ろをついてきてくれました。
あるとき、過ごしていた洞窟が岩でうもれてしまい、月が閉じ込められたと助け出そうとする不眠症の熊。
このあと熊は自分がツキノワグマだと気づきます・・・。
この物語では、遠く離れていてもついてきてくれる友情の大切さを教えてくれます。
感想
動物たちのとてもシュールな物語で楽しいです。
各物語も長くないので全体的に読みやすくなっている印象です。
小学生でも十分読むことができる本だと思いました。
しかし、大人が読んでも面白いと思います。
そういった点で、子供と大人で考え方の違いが出てくるのも面白いのではないかと感じました。
よかったら読んでみてください(*^^*)